わたしは凝り性なのか、とにかくそのことに集中するといわゆる寝食を忘れるタイプ。サックスの演奏活動を続ける中でも、リードのことから奏法他、あらゆることにとにかく納得がいくまで追求の手を緩めない笑
sbaも4年吹き込んだのでさすがに息の入れ方など身体の一部。そのうえで、
自分への聞こえ方、
吹き心地、
オーディエンスへの外音、
デジタル録音との相性、、
というフィルターを通せば、音場がfatでwetだとMarkⅥも息を吹きかえすし、逆にvocal boothや現代建築に多いdryな環境だとやはりsbaがその差を埋めやすい。出音の音色をいつもキープしたいなら、意識した方がいい。
余談ですが、MarkⅥかsbaを吹き分けるとネックの角度の違いを感じるので比較してみるとかなりの違い(画像)。
それから、スプリングの強さも違いますね。スプリングの強弱も良い点/悪い点がありますが、詳細は後出予定です!<本文9/17改訂済>
その後、レッスンと録音の仕事でsbaを吹きましたが、手の感覚と息の入れ方がすでにMarkⅥ仕様になっていて、その分sbaの「小さく小ぶりで軽い」という感じがより引き立ったのが良い意味で新しい感覚に感じました。
MarkⅥは現行のYAMAHAさんや、柳澤さん、セルマーSA2~現行、台湾Antiguaに比べても軽くて小振りですが、SBAはさらに軽くて小振りなんだな、という今更の感想。
持つ、というよりも手で包む感じ、重量は軽いけれど音の密度はやはり歴代のセルマーのなかではトップなのも今更ながら意外。
sbaを続けて吹くよりも時々違う機種を吹く方がそれぞれを客観的に見れます。sbaでなんでもやろうとせずにsbaの得意な方向(パワーでなくふわっと倍音をまとわせる)に気づきがあることで、楽器と波長が合う。
そして波長が合えば楽器に合ったフレーズが自然と出てくる、という好循環をしばらく続けてみたい。
サックスのグループ分けはいろいろありますが、選定を頼まれたときは、、
まず、楽器の組み上げや調整の完成度を音色/倍音のばらつきや音程で確認、
中古楽器の場合は、見た目のラッカーの変質や使用感よりも音程の下から上までの均一性や機能性に不具合がないかを見ます。
その次に
音色と音量を聴きます。
話しがそれますが、だいたい大別すると次の二つのグループで、②が好みの場合はその中から探すと近道です。
①息がよく入り、高音へ上がるほど ゴリっとエッジも立つ系
②倍音の響き方が上まで均一で、ソフトに吹くことで、より存在感がでる感じのもの
これらをセルマー社でいうと
①は、マークⅥ後期やマークⅦ、シリーズⅡ、reference54
②は、super balanced action、super action80(シリーズⅡの一つ前のモデル)やシリーズⅢ、Supreme
(マークⅥは、調整の度合い含め個体差が大きい、また製造年代によって鳴り方が異なるなど、判断がデリケートな場合が多いので、経験者かプロに相談される事をお勧めします)
ところで最近は新品サックスの価格が高騰しています。
初めてサックスを購入される方には、まずは、リースをお勧めしています。ヤマハさんも展開されてますね。
リースは気に入ればそのまま買い取りもできるのでリスクが少ないです。
違う感じの楽器を持ちたいな、と思った時には、音色の好みを考えつつ、必要なら選定を行います。価格が抑えられたもので中級の方以上でも煮詰まらず、使える楽器もあります。
以上、楽器選びの参考になれば幸いです。
画像はAntigua左、と右はSelmer Axos