ジャズミュージシャンがクラシックを聴くとどうしてもコードが頭に浮かんでしまう。Claude Achille Debussy ドビュッシーがジャズピアニストに人気なのもドビュッシーのコード展開は非常に現代ジャズの源泉のひとつだからではないだろうか。バッハもコードを聴くとBe-Bopの源泉を感じる。実際に*チャーリー・パーカーのアイドルはLester YoungとBachだったという。
"シチリアーナ"は17世紀から18世紀に流行した牧歌的だけど洗練とも矛盾しない独特の光景を感じさせてくれるサウンド。 この曲の作曲者のフランスのGabriel Fauré ガブリエル・フォーレは、彼が生まれた時にはショパンがまだ作曲を行っており、最晩年にはジャズや、新ウィーン楽派の無調音楽が聴かれるようになっていたころだそう。
40secあたりからBメロへのきっかけとしてGmに解決した後Gのメジャーキーに移行してそのままEmへというところが部屋のカーテンをあけた瞬間にすっと光線がさすようで心地いい。
*出典 ”La leggenda di Charlie Parker” by Robert George Reisner Published by Mondadori, Milano, 1980
Paul Desmondのマイクの位置については、楽器本体から距離があいている写真が散見されます。この写真のように、アサガオと呼ばれる楽器の先端のベルの中心を外していたり、、、興味深いですね。
アコースティック音源の録音は、原音のクオリティが間違いなければ、あとは入り口(マイク周辺のセッティング)でほぼ決まる、といわれていますし、そう思います。
サクソフォンには、先端のアサガオと呼ばれるベルがあります。そこからももちろん音は出ていますが、同時に笛のように音程を決める穴=フィンガーホールがありますね、そこからも音が出ています。アサガオと呼ばれる先端のベルの正面にだけマイクを当てた場合、一部の音しか拾えません。
マウスピースで振動した音は歯を通して身体も振動しますし、楽器の端々まで共鳴します。
レコーディング時は、それらを極力、全て録れる角度や距離を見つけてマイキングを決める、、ということですね。
A Taste Of Honey(Ric Marlow作詞、Bobby Scott作曲)
1960年に上演されたブロードウェイミュージカル曲。
ビートルズもこの曲を演奏しています。
Paul Desmondポールデスモンドは、原曲とは異次元のイメージで録音しています。
アドリブも繊細で浮遊感がありますね。
曲を理論的に分析するのは好きではありませんが、ぱっと聴いて感じるのは、
ギターのJim Hallが原曲のコード進行をおしゃれに置き換えています。
原曲 Bb Am7 Dm
Jim Hall Bb CM7 Dm
ギター奏者ならでは、つまりBbM→CMはギターだと同じ運指のままスライドさせるわけですね。
この代理コードはほんとに微細なことだけど、とてもいい感じです。
曲のキーがDmで、メロディのところどころにでてくるBの音も教会旋法のドリアン的な響きをだしているのですが、さっきのJim HallのCM7のB音がおしゃれに呼応して浮遊します。