楽器の話がつづきます、、
もともとリガチャーの流れとしては歴史的に 3社のシェアが大きかったようです。
Brilhart、 Herounard et Benard(各社にOEMしていた)、Selmerです。
リガチャーの本来の役割りは、マウスピースのリードを、脱落しないように取り付け/固定するというものなのですが、Brilhart(ブリルハート)だけは、当時その本来のリガチャーの役割りに加えて、''ブリルハート特有の響きサウンド"が付加されていました。
細かく見ると3社とも響きの特徴はあるのですが、つまりは、種々のリガチャーのスタンスを大きく分けると「シンプルな響き」と「何かを付加した響き」のどちらかになるのだと思います。
Selmerは「シンプル系」の典型ですが、一時的にネジスクリューがすごく大きいもの一本でウエイト的な質量のあるタイプのもの(画像)も出していました。 これも「何か付加された響き」を出す意図があったのでしょう。その後また「シンプル系」だけになりましたが。
現行のリガチャーを選ぶときもまずはこの2つの流れがあることを知ってチョイスすると近道だと思います。
近年では、響きを妨げない「シンプル系」で柳澤の「魔法のりがちゃん」。リードとマウスピースの特性がよく響きます。80年代に小豆沢の工場で初期ロットのものを吹いたときのものはいまだに使っています。
その後、「付加系」で、ウエイトの変更や着脱が可能という発想のBullseyeブルズアイ。
付加系ですが、セッティングにより、リードとマウスピースの特性がシンプルによく響きます。
同じく「付加系」で、Vandren optimum。これは固定ウエイトと、さらにリードとの接点の形状を変えれるというもの。
よく使います。 「付加系」で、BG tradition。リードとの接点がレール状になっていて、ブライトでラウドに鳴ります。 、、等々 現代ではたくさん店頭でみることができます。
「材質の違い」や「メッキの違い」のバリエーションも多いですが、基本的には、「シンプルな響き」か「何かを付加した響き」かのチョイスですね。
サックスの原料は真鍮でそこに通常はラッカーが塗られています。
経年劣化でラッカーが落ちたものや、最近は新品の出荷時点からアンラッカー/ノーラッカーのサックスもあります。
そもそも、ラッカーの塗られたものと、塗られてないものでは音色等に違いはあるのでしょうか?
わたしは「違いはある」と思います。
ラッカーの塗られた楽器は真鍮の振動がラッカーの層で蓄えられて効率よく空気を振動させる。 「息→音」変換の燃費がいいイメージで、吹奏感はモチっとしています。 自分の音をモニタリングしやすいです。
一方、ラッカーのとれたビンテージ楽器の褒め言葉で「枯れている」とよくいいますが、 ラッカーのない分、音のモチっと感はいい意味で少ないです。 そして軽い吹奏感が心地よいともいえます。 そのような状態のビンテージの個体を「枯れている」と形容するのですね。
余談ですがビンテージの「枯れ」感はラッカーだけではなく、 各ジョイント接合部の音伝達のスムースさも影響するようです。
それから、サブトーンはラッカーの有無とは別のテクニックです。
ジャズの先人はどうでしょうか。。
ソニーロリンズSonyRollinsはあまり古い楽器は吹かなかったそうです。 リーコニッツLeeKontzやポールデズモンドPaulDesmondもラッカーのおちた楽器を吹いているのは画像でも見たことがありません。
しかしズードシムズZootSimzは晩年はラッカーがほとんど残ってないsbaです。
どちらが好きかは人それぞれです。。
Kenichi Fujiwara Quartet いつもとは少し違った景色をおとどけ。ご来場に感謝♪ sound clipはinstagramで♪ 次回は同じメンバーで初夏におとどけです!
大阪 グラバー邸 大阪市中央区谷町5丁目7-3 タニマチカワムラビル9F 20:00START TEL: 06-6768-5963 alto sax Kenichi Fujiwara 藤原健壱、 piano Keiri Fujisaki 藤嵜佳里、 bass Yoshihito Suita 吹田善仁、 drums Atsushi Iwataka 岩高 淳 http://glover-jazz.com/